第316章

「上原家、か」

彼女は冷ややかに笑い、言葉を継いだ。

「ええ。無秩序組織の資金の流れが上原家と関わっている以上、徹底的な調査が必要だ。上原家が潔白なのか、それとも脅されているのか、はっきりさせる必要がある」

風岡真は数冊のファイルを彼女に手渡した。

「これが内部で追跡した帳簿だ。一部は機密扱いだから、一度しか見せられない」

星谷由弥子は視線を落とし、素早く目を通す。ページをめくるごとに、その顔色が曇っていく。

表面上は優良企業を装いながら、その裏では人体実験によって巨額の利益を貪っていたのだ。そして、天堂島こそがその諸悪の根源だった。

彼女はファイルを突き返した。

「奴らには...

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