第317章

星谷由弥子は、今日一日このまま病院に残り、祖母に付き添うつもりでいた。朝食を終えた祖母の顔色は明らかに良くなり、頬にも血の気が戻っている。それを見て、彼女はようやく安堵の息をついた。

立ち上がって掛け布団の端を丁寧に直し、椅子に腰を下ろそうとしたその時、ポケットの中のスマートフォンが短く数回震えた。

画面を確認すると、表示はSEALからだ。

星谷由弥子の眉間にしわが寄る。SEALが自分から電話をかけてくることは滅多にない。それも通話となれば、よほどの事態だ。

彼女は立ち上がり、さらに声を潜めた。

「おばあちゃん、ちょっと廊下で電話してくる」

「ええ、わかったわ」

祖母の穏やかな...

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