第318章

彼女が指先で合図を送ると、傍らに控えていた黒服の男が懐からタブレットを取り出す。画面が点灯し、ある映像が赫奕(かくやく)と映し出された。

SEALだ。

彼は口端から血を流し、手足を拘束され、椅子にもたれかかっている。意識は朦朧としているようだ。

星谷由弥子の瞳が、戦慄に収縮した。

いくら冷静さを装っても、SEALが危機に瀕している姿を黙って見過ごすことなどできはしない。

何と言っても、SEALは自分についてきてくれた相棒なのだ。もし彼に何かあれば、私は一生自分を許せないだろう。

「何が望みなの?」

「何も欲しくなんかないわよ。ただ、うちのボスがあなたに会いたがってるだけ。あら、...

ログインして続きを読む