第320章

男はついに笑みを収め、目を細めて彼女を睨み据えた。その言葉の真偽を値踏みするかのように。

「『天堂島』が何たるかを知っているか? あれは雲上の聖域、権力と富、そして武力の中心だ! お前のような市井の人間が触れられる代物じゃない。その端緒すら掴めやしないんだ。分かるか?」

「でも、あなたには辿り着いたわ」星谷由弥子は皮肉を込めて言い放つ。

男は一瞬虚を突かれたようだが、すぐに鼻で笑った。どうやら彼女の言葉がツボに入ったらしい。「星谷さん、あんたは本物の狂人だな」

星谷由弥子は無言のまま、画面の中で苦悶するSEALへと視線を戻す。

SEALは彼女の相棒であり、幾度となく死線を共に潜り抜...

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