第328章

部屋の空気は重く沈着していた。星谷由弥子は手にしたファイルを机に置くと、ライトへと顔を向ける。

「提携が決まった以上、無駄な時間は過ごしたくないわ」

ライトは頷き、その瞳に意味深な光を宿した。

「君の恋人が来ている」

星谷由弥子は虚を突かれたように固まる。

「いつの間に?」

「岸に着いたばかりだ」

ライトは笑みを浮かべたが、その声色から感情は読み取れない。

「せっかく二人の想いが通じ合っているんだ。私が主催して食事の席を設けよう。今後の協力関係について話し合うといい」

星谷由弥子は頷き、拒絶はしなかった。

天宮和人の今の心情を思えば、どれほど気が気でないかは想像に難くない...

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