第338章

埠頭に漂う空気は、硝煙と鉄錆のような血の臭いが入り混じり、喉を焼くような息苦しさを伴っていた。

公安部による事後処理が進む中、一人の若い隊員が地面に広がる血溜まりを見つめていた。その顔面は蒼白で、指先は小刻みに震えている。

通りかかった風岡真が、そのヘルメットをぽんと叩く。声は砂利を噛んだようにしゃがれていた。

「見るな。薬莢をさっさと回収しろ。帰って始末書を書く仕事が待ってるぞ」

デインは応急処置を施され、容態が安定したところで独房へと移された。

彼こそが、『天堂島』という堅牢な扉をこじ開ける最初の鍵となるはずだ。

『無秩序組織』の指揮センター。ライトは背もたれに深く身を沈め、...

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