第353章

夜の闇が、海と空を喰らい尽くしている。

快走艇が海面に白い航跡を描き、やがて停止した。

あらゆる追跡信号が、この広大な海域で途絶えている。

唯一の手がかりは、遠くの闇に蟄居するあの輪郭――海狼岬のみ。

そこはまるで巨大なブラックホールのように、森羅万象を飲み込んでいた。

深夜、別荘内の空気は張り詰めていた。

金髪は目の周りに大きな隈を作りながら、狂ったように跳ねる画面のデータストリームを睨みつけている。

「ボス、漁場の件だ。国家安全保障局から通達が来た。『重要証拠の紛失』だとさ。現在『鋭意調査中』だってよ」

彼は忌々しげに吐き捨てた。

「ふざけやがって! あの魚の検査報告書...

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