第363章

それからの二日間、別荘の空気は窒息しそうなほど重苦しく、澱んでいた。

星谷由弥子は自室に閉じこもり、食事の時以外は誰とも言葉を交わそうとしなかった。

彼女は淡々と荷物をまとめ始めた。数着の普段着と、原書の専門書が二冊。その所作には、微塵の未練も感じられない。

天宮和人から贈られた宝石類や、かつて愛おしそうに撫でていた置物は、すべて手つかずのまま元の場所に残されていた。まるで、そうやって切り離すことで過去と決別しようとしているかのように。

林田望は居ても立っても居られず、リビングをうろうろと歩き回っては、星谷由弥子の部屋のドアに張り付いた。何度か強引に入ろうとしたが、そのたびに天宮和人...

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