第369章

上原健介の車が本家を後にし、深夜の都会の奔流へと合流する。窓の外には煌びやかな灯火が流れていくが、車内は凍りついたような死寂に支配されていた。この家は、根幹から腐り果てている。

彼は天宮和人のプライベートナンバーを呼び出した。

長いコールの末、ようやく通話が繋がる。受話器の向こうは最初、死んだように静まり返っていたが、突如として轟音が炸裂した。まるで重厚な無垢材のテーブルを無理やりひっくり返したかのような音だ。続いてガラスが砕け、陶器が弾け飛ぶ耳障りな音が響き、獣のような荒い喘ぎ声が混じる。その呼吸音は、一つ、また一つと、受話器越しに鼓膜へへばりつくように伝わり、絶望的な自滅の衝動を帯び...

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