第370章

天堂島な巣窟において、時間はとうにその意味を失っていた。

星谷由弥子と夏菜がここに閉じ込められてから、すでに三日が経過している。

凍てつくような独房。だが、母と娘はそこに無理やり「家庭」の匂いを漂わせていた。

由弥子の上着が敷かれたマットレス。壁には、夏菜が拾った小石で描いた太陽と笑顔。歪ではあるが、懸命に輝こうとしている。

「報告します、ママ!」

夏菜は小さな背筋をピンと伸ばし、テレビで見たスパイの真似をして声を潜める。その表情は真剣そのものだ。

「本日の基地パトロール、完了しました! 敵の偵察アリと思われる個体一匹を発見、現地にて排除。基地の安全は確保されています!」

「よ...

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