第375章

天堂島基地。高い塀と高圧電流のフェンスに囲まれたその人工芝のエリアを、内部の人間は「放牧場」と呼んでいた。

「ママ隊長! A区画、巡回完了であります! 上空に敵機二機発見、ずっとグルグル回ってるけど、脅威判定なし!」

夏菜は短い足を一生懸命動かし、ドタドタと星谷由弥子のもとへ駆け寄ると、小さな顔をきゅっと引き締め、不格好な敬礼をして見せた。

星谷由弥子はしゃがみ込み、娘の曲がった襟を直してやる。

「報告受領。緊急任務よ。B区画にあるあの赤い花、敵の擬装盗聴器の疑いあり。直ちに排除に向かわれたし」

「任務了解!」

夏菜は新たな指令を受けると、発射された砲弾のように、ダダダッと再び飛...

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