第376章

白亜の病室。建築家が重い扉を押し開け、星谷由弥子がその中へと足を踏み入れた。

室内には消毒液の冷たい臭いと、生命維持を知らせる電子機器の単調なハム音が充満している。

彼女は歩みを緩めることなく、数値が明滅するモニターの数々を通り過ぎ、ベッドの脇で足を止めた。

そこに横たわる人物の肌は蝋のように黄色く、呼吸は浅い。全身を管に繋がれ、無数のケーブルに操られる人形のようだった。

部屋の隅、影になった場所に、一人の男が立っていた。

黒いタクティカルベストが、岩石のような筋肉の隆起を浮き彫りにしている。

腕を組み、彫像のように沈黙を守っているが、その全身から放たれる気配は、空気さえ切り裂き...

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