第378章

三日後、ある国の国境。

物流中継基地に偽装された灰色の建造物が、荒野の中に静かに蟠っていた。

案内人が入り口に立つ中、一台の黒い防弾セダンが滑り込むように停まった。ドアが開かれ、天宮和人が降り立つ。連れているのは副官一人だけ。だが、その身から放たれる目に見えぬ威圧感が、周囲の武装した守衛たちの体を反射的に強張らせた。

「天宮さん。あなたの豪胆さは、その資産よりも有名ですよ」案内人は招き入れる仕草をした。

「私の時間は、資産よりも貴重だ」天宮和人は歩き出し、周囲の厳重な警備に鋭い視線を走らせる。「私のものを、買い戻しに来た」

応接室では、蠍が上座に座っていた。星谷由弥子に貫かれた腕は...

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