第384章

スーダンと談笑しながら、建築家は視線の端で自身の端末を僅かに捉えた。顔に張り付いた笑みは微塵も揺らがない。ただ、アンティークのグラスを掲げる指先が、その脚を愛おしげに、しかし探るように撫でているだけだ。指の腹に伝わるのは、人工的で、あまりに均一すぎる「粗さ」だった。

「スーダンさん、お気持ちだけ頂戴します」

建築家はアンティークを箱に戻すと、優雅な仕草でそれを突き返した。

スーダンの頬の贅肉がピクリと動く。

「建築家先生のお気に召しませんでしたか?」

「いや、まさか」

建築家は椅子の背もたれに深く身を預け、両手の指を組んだ。

「この品は、実に見事な代物ですよ。見事すぎて、その『...

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