第388章

濃密な闇が、あたりを支配していた。

郊外へと続く一本道。ヘッドライトさえ飲み込むほどの暗闇の中を、三台の黒塗りの防弾仕様SUVが隊列を組み、音もなく疾走している。ここは天堂島の内部輸送ルート。理論上、絶対安全とされる領域だ。

その中列を走る車両の後部座席。

星谷由弥子は視線を落とし、夏菜の乱れた襟元を直していた。幼い少女は母親の懐に顔を埋め、怯えた大きな瞳で、窓の外を飛ぶように過ぎ去る闇を見つめている。

「ママ、どこに行くの?」

「遠いところに、バカンスに行くのよ」

星谷由弥子の声は柔らかく、娘と、そして自身に張り詰める緊張の糸を解きほぐすように優しく響いた。

彼女の隣には、ラ...

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