第397章

華星エンタメの最上階。そこは惨憺たる有様だった。

青海明子は高級な本革張りのシートに身を沈め、静かにフロアウィンドウ越しの帝都の夜景を見つめていた。

デスクの上のスマホ画面はストップ安を告げるチャートで固まったままで、その傍らには、まるで死神からの督促のように、数え切れないほどの不在着信通知が積み重なっている。

オフィスのドアが押し開けられ、腹心の秘書が忍び足で入ってきた。

「青海社長、取締役会の方々が……」

「待たせておきなさい」

青海明子の声には何の感情も交じっていない。敗者特有のヒステリックな響きなど、微塵も感じさせなかった。

秘書は一瞬ためらった後、一冊のファイルをデス...

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