第452章

X市でも最高峰とされる、心理ケアセンター。

マジックミラーが一切の音を遮断する静寂の中、星谷由弥子は観察室に座っていた。冷え切った指先。彼女は隣室にいる娘の姿を、祈るように凝視している。

そこは箱庭療法のために設えられた、温かく明るい部屋だ。

夏菜は砂箱の前に跪き、その小さな体で一心不乱に取り組んでいる。

まずは手で砂に窪みを作り、湖に見立てる。

それから棚へ向かい、慎重にフィギュアを選び始めた。

スカートを履いた少女の人形を、砂箱の中央へ。

背の高い女性の人形を、その少女にぴったりと寄り添うように置く。

それが自分と母親であることを、星谷由弥子は痛いほど理解していた。

続...

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