第454章

X市。病的なほどに清潔なマンションの一室。

白い壁、木目の床。余計な装飾は一切なく、中身を待つ真っ白な額縁のようだ。

星谷清美は姿見の前に立ち、鏡に映る見知らぬ顔を指先でなぞった。

傷跡は消え失せていた。プロのチームによる施術で、肌は透き通るようにきめ細かい。シンプルな白いワンピースを纏い、長い髪が背中を流れる。その姿は清純で無垢、世間知らずな令嬢そのものだ。

だが、その瞳だけは死んでいた。

喜怒哀楽、すべての感情が削ぎ落とされ、ただ虚ろな闇だけが残っている。光さえも飲み込むような、深い闇だ。

傍らには、真新しい身分証のセットが置かれている。

林田夜美。二十三歳、孤児。海川町か...

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