第467章

車のドアが勢いよく開かれ、その「バンッ」という乾いた音が、がらんとした中庭に不釣り合いに響き渡った。

車から降り立ったのは、星谷由弥子だ。

動きやすい黒のスラックスに白のシャツ。長い髪は無造作に後ろで束ねられ、顔の半分を覆うほどの大きなサングラスをかけている。彼女は一言も発さず、ただそこに佇んでいた。それだけで、ついさっきまで唾を飛ばして喚き散らしていた制服姿の男たちは、まるでミュートボタンを押されたかのように一斉に口をつぐんだ。

「由弥子……なのかい?」

三川院長はその姿を認めると、濁った老眼に信じられないという驚きの色を浮かべた。次の瞬間、溜め込まれていた無念、怒り、そして無力感...

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