第492章

帝都の空が、ついに晴れ渡った。

上流社会を席巻したあの嵐は、より高次の権力の手によって無理やり封じ込められた。ニュースの一面は毒にも薬にもならない経済報道に差し替えられ、すべてが何事もなかったかのように凪いでいる。

天宮家の別荘、子供部屋。

レースのカーテン越しに注ぐ陽光が、絨毯の上に温かな光の斑点を落としていた。

星谷由弥子は音を立てないよう静かにドアを開け、部屋に入った。部屋の中央、夏菜が膝を抱えて絨毯に座り込んでいる。その腕の中には、療養所から持ち帰った全身真っ黒なぬいぐるみが抱かれていた。

彼女は遊んでいるわけではない。ただ静かにそれを見つめているだけだ。天宮和人によく似た...

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