第116章

病室には、窓から差し込む陽が斜めに切り込み、シーツの上にまだらな光と影を落としていた。

鷹司蓮矢はスマホを握り締める。力の入りすぎた指の関節が、白く浮いた。

北野涼介の言葉が小石みたいに胸の奥へ落ちて、じわじわと波紋を広げていく。 

「……どういうチャンスだ」

『前に俺が鷹司グループと組んで落とした、西区の土地。高級リゾートにするって話、覚えてるだろ』

北野涼介はハンドルを握ったまま、指先で軽く、コツコツとリズムを刻んでいるらしい。

『俺の独断でな。全体のデザインとパッケージングの案件を千静スタジオに振った。さっき日向雫と提携も決めた。あいつ、チーフデザイナーだ』

鷹司蓮矢は、...

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