第118章

電話が三度鳴った。

日向雫はパソコンに向かい、前田由紀子の文化クリエイティブグッズ向けデザイン案を詰めているところだった。

着信表示は見ない。いつもの癖でそのままスワイプし、肩と頬でスマホを挟む。

「どちらさま?」

受話口から、鷹司蓮矢の低い声が落ちてきた。

「日向雫。さっきは、俺の説明が足りなかった」

雫の手が、マウスの上でぴたりと止まる。カーソルは、コンマの直後で固まったまま。

雫は何も言わず、続きを待った。

「雨宮静佳の件は、俺の段取りが悪かった」

吐き出すのに力が要ったのか、声がさらに沈む。

「リゾート案件で、彼女はコアのデザインには関わらせない。北野涼介とも話を...

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