第119章

「信頼できるPRのチーム、知り合いがいる。いま連絡する」

坂本時佐がスマホを取り出し、PR会社に電話をかけようとした瞬間。受付の声が内線越しに飛び込んできた。

「ボス、鷹司グループの上田さんがいらしてます。日向雫デザイナーに重要書類をお渡ししたいそうで」

日向雫の指先が、ぴたりと止まる。顔を上げ、坂本時佐を見た。

坂本時佐も意外そうに眉を上げ、少し考えてから言う。

「通して」

ほどなくして、上田直樹がドアを開けて入ってきた。手には、箔押しの施された書類袋。

室内の重たい空気など意に介さない様子で、無難で丁寧な笑みを浮かべたまま、まっすぐ日向雫のデスクへ歩み寄り、書類袋を差し出す...

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