第123章

日向雫のまぶたが、突然ひくひくと痙攣した。

どうしておじい様が、いきなり自分に電話を――?

雫は慌てて通話ボタンを滑らせる。声が、わずかに震えた。

「……おじい様」

「雫か。今、少し時間はあるか」

受話器越しのおじい様の声には、はっきりとした疲労と、弱りきった響きが混じっていた。

「家に……戻ってきてくれないか。雫に会いたい」

「おじい様、どうしたんですか。お身体、どこか悪いんですか」

心配がそのまま声になる。

あの人はいつだって背筋が伸びていて、目にも力があった。そんなおじい様が、こんな声を出すなんて。

「大したことじゃない。ただ、ちょっと会いたくなっただけだ」

ふっ...

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