第129章

午後、神田ホテル。

日向雫はデザイン案のファイルを手に、神田弥央を訪ねた。

ドアを押し開けると、弥央は窓際のソファに腰を下ろし、タブレットをめくっていた。

「弥央さん」

雫は歩み寄り、ファイルをローテーブルに置く。

「宴会場の最終デザイン案です。ご確認ください」

弥央はすぐにタブレットを置き、目を輝かせてファイルを開いた。

図面の中で、白と金の主調は絶妙に噛み合っている。豪奢さはそのままに、どこか自然で澄んだ空気が差し込むような仕上がりだった。

雫の仕事は細やかだ。隅々まで注釈が入り、テーブルと椅子の間隔から照明の明暗まで、抜け目なく計算されている。

「雫、あんた天才デザイ...

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