第142章

中島盛人に弁解の余地など与えない。長い脚で一歩、ベッドの前へ踏み込み――拳を振り抜く。

ドガッ。

鈍い衝撃音とともに、拳は中島盛人の顔面を容赦なく打ち抜いた。

盛人の顔が横へ跳ね、鼻筋がみるみる赤く腫れていく。鼻梁に、つんとした痛みが走った。ふらつきながら二歩後ずさりし、壁に手をついてようやく踏みとどまる。さっきまでの虚勢は消え、瞳には恐怖が浮かんでいた。

二階の騒ぎは、階下のリビングにまで筒抜けだった。

中島大智が顔色を変えて真っ先に駆け上がり、鷹司の母も慌てて後を追う。

廊下の突き当たり、部屋の前。駆けつけた彼らの目に飛び込んできたのは、鼻を押さえてよろめく盛人の惨めな姿...

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