第149章

北野涼介は二棟のヴィラの間を抜ける小径を歩き、ほどなく目的の場所へ着いた。

日向雫は庭の椅子に腰掛け、夜風に当たっていた。夕食を終えたばかりで、肩の力がすっと抜けている。

北野涼介の姿を認めると、日向雫はわずかに目を上げた。瞳に淡い意外さが走り、すぐに礼儀正しく立ち上がる。

「北野社長」

北野涼介は彼女の前までまっすぐ歩み寄り、余計な挨拶もなく切り出した。

「さっき、坂本デザイナーの妹が来てな。たまたま耳に入ったんだが……君への敵意、相当強いみたいだ」

さらに言葉を継ぐ。

「情緒も安定してなさそうだった。念のため言っておく。今後は、あの子にもっと警戒したほうがいい」

日向雫は...

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