第150章

鷹司蓮矢は一瞬、呆けた。だがオーナーは彼の微かな動揺に気づきもせず、日向雫への賛辞を抑えきれない様子で言った。

「鷹司さん、本当にお幸せですね。私、この仕事を長くやってきましたけど、鷹司奥様ほど才能のあるデザイナーはそうそういません。それに……鷹司さんのこと、格別に大事にされてます」

心の底から、日向雫のセンスと手腕を評価しているのが伝わってくる。

包み終えた服を鷹司蓮矢の前に差し出しながら、オーナーは空中で襟元を撫でるような仕草をした。

「この一着、素材選びからパターンの調整、細部の意匠まで、全部が鷹司奥様の工夫なんです」

鷹司蓮矢は指先をわずかに落とし、黙って聞いた。瞳の奥で、...

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