第156章

日向雫の数言が、ふわりと落ちた。けれど着地点は的確で、痛いところだけを突き刺す。会場の空気は一瞬で反転した。

「そうよね……精神的な病気を抱えてる人の言葉なんて」

「それに、この写真……ぼやけすぎじゃない?」

相手は名の通った新聞社ばかりだ。目を引くネタが欲しいのは同じでも、裏取りもせずに流せば傷つくのは自分たちの信用である。

そして何より――

鷹司家と千静スタジオは、そう簡単に敵に回せない。

坂本美波は、自分が丹念に仕込んだ算段が崩れていくのを目の前で見せつけられ、怒りが一気に噴き上がった。体裁も何も、もう保てない。

彼女は離れた場所から日向雫を指さす。

「日向雫! でたら...

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