第160章

渡辺夏央はまっすぐ席に腰を下ろすなり、鷹司蓮矢が口を開く前に先手を打った。

「蓮矢さん。静佳さん、蛇に噛まれたんでしょう? そんな状態で一人で住まわせて平気なんですか。何かあったらどうするんです。前のあなたは、こんな人じゃなかった」

鷹司蓮矢は都心にもう一つ、広いフロアのマンションを持っている。いまはそこを、雨宮静佳の仮住まいにしていた。

立て続けに起きた出来事。加えて、鷹司蓮矢の中で「人」に対する認識が少しずつ変わり始めてからというもの、彼は長い間、雨宮静佳のもとへ足を運んでいない。

SNSでは、雨宮静佳を「通知オフ」にまでしていた。

渡辺夏央の憤りを聞き流すように、鷹司蓮矢は表...

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