第163章

病院。

鷹司蓮矢は日向雫の隣に座り、検査結果を静かに待っていた。

長く座っていれば疲れるだろうと気にして、彼はときおり声を落として様子をうかがう。

この五年、雫は手の治療で何度も病院に通った。手術をしたばかりの頃は、もう二度と筆を握れないかもしれない――そう思うだけで涙が止まらず、毎日のように泣いていた。

そのたび、蓮矢はそばにいた。病室のベッド脇で、今と同じように、彼女を気遣ってくれた。

雫は彼の胸に縋りついて泣き切ると、最後には無理にでも笑ってみせる。包帯だらけの手で彼の頬をそっと挟み、言った。

「あなたが無事でよかった」

「この手であなたの命が助かったなら、安いもんだよ」...

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