第165章

担当者は、さっきまでとは打って変わってずいぶん柔らかな口調になっていた。

「日向さん。こちらとしては以前から、あなたのデザインの才能を高く評価しています」

「こうしましょう。今後の親子鑑定の結果があなたの説明を裏づけ、素行に問題がないと確認できれば、入学手続きは通常どおり進めます。学籍にも影響は出ません」

通話を切ると、日向雫は目を閉じ、車の窓に額を預けた。ようやく、胸の奥の緊張が少しだけほどけた。

……

マンションに戻った頃には、日向雫は心も身体も限界だった。

妊娠中のだるさに加え、病院で続いた胸糞の悪い出来事が、全身から力を奪っていく。

軽く身支度を整え、ぬるめの白湯を一杯...

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