第167章

ネット上の世論が一晩で跡形もなく消えた。そんなことができるのは、日向雫を含めても片手で数えられるほどしかいない。

ただ、相手が鷹司蓮矢だとは思ってもみなかった。

親子鑑定の件は、もう彼の耳に入っているはずだ。

この三日間、きっと上田直樹に調べさせた。そうして最後には、おじい様がこっそり彼の毛髪を持ち出して鑑定に回したことまで辿り着く。

……それでいい。

日向雫は胸の奥で、ひそかに苦笑した。

鷹司蓮矢が「子どもは自分とは無関係だ」と決めつけてくれれば、少なくとも――自分の子に手を伸ばすことはないかもしれない。

スマホを握る手に、余計な力が入る。思考は絡まり、ほどけない。

そのと...

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