第168章

日向雫は、配達員の手にある合格通知が見つかるのが怖くてたまらなかった。車のドアを押し開けるなり飛び降り、前へ前へと小走りで突っ込む。

背後の物音に配達員が振り返った、その瞬間にはもう女が目の前まで迫っていて、驚いた拍子に荷物を取り落としそうになる。

「配達、時間オーバーしてませんよね?」

配達員は慌てて業務用スマホを確認した。

この別荘に住むのは、富裕層か名家ばかり。相手が相手だけに、対応は細心の注意が要る。

「……してません」

「なら大丈夫です」

日向雫は手を振った。

彼の腕の中と足元に積まれた荷物へ目がいく。こんなに?

「いくつかはご本人の対面サインが必要でして。開封し...

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