第177章

応接室で待って、もうすぐ四十分。けれど、いまだに担当者が来る気配はない。

室内の空気は重く、日向雫は胸の奥がじわりと詰まった。これ以上じっとしていられず、立ち上がって気分転換に化粧室へ行くことにする。

「お手洗い行ってくるけど、智菜も行く?」

日向雫が尋ねると、竹内智菜は手をひらひら振った。

「私はここで待ってる。誰か来たら電話するね」

日向雫はうなずき、ハンドバッグを提げて応接室を出た。

扉を押し開けた瞬間、ひんやりした新鮮な空気が流れ込む。肺がようやく息を思い出したみたいで、彼女は腰のあたりを軽く揉み、濁った息をふうっと吐いた。

化粧室を出て、左右を見回す。眉がじわじわ寄っ...

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