第181章

すべての視線が、一瞬で入口の男へと集まった。

鷹司蓮矢はその場で凍りついたように立ち尽くし、目の奥が赤く滲む。喉仏が激しく上下した。

嗚咽を噛み殺した掠れ声。そこには、これまで見せたことのない卑屈さが混じっていた。

「……ただ、ちゃんと……彼女を、最後まで見送りたいんだ」

そのみっともないほどの懇願に返ってきたのは、新田朱音の凍てつく嘲笑だけだった。

新田朱音は鷹司蓮矢を睨み据えたまま、堰を切ったように涙を溢れさせる。

「……何様のつもり?」

「何様のつもりなのよ!」

「どうして、悪いことをした雨宮静佳が何事もなかったみたいに生きてるの! なのに雫は火の中で……命まで奪われた...

ログインして続きを読む