第20章

雨宮静佳は言いかけて、残りの言葉を喉の奥へ押し戻した。鷹司蓮矢の反応を待つ。

けれど、いくら待っても耳に入るのは食器がかすかに触れ合う、こつ、こつという小さな音だけ。返事は一つもない。

胸の中がふわりと浮いて、すとんと落ちる。落ち着かないまま、静佳は指先でそっと掌をつねった。

我慢できずに顔を上げる。

鷹司蓮矢は相変わらず悠然とサンドイッチをかじっていた。その視線は日向雫の横顔にぴたりと貼りついたまま。静佳が送る視線など、気づきもしない。

静佳の「儚げな笑み」が、一瞬で固まった。頬の筋肉が、勝手に引きつる。

たかが服を替えただけで、どうしてあんなふうに気を取られるの?

腹の底か...

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