第200章

社長室。

「坂本時佐が真夜中に海外へ? そんな急に?」

「了解。あとでボーナス振り込む。ご苦労だった」

上田直樹は通話を切ると、ある口座へ200万を送金し、そのまま鷹司蓮矢のオフィスへ向かった。

ドアを開け、デスクの前まで進む。鷹司蓮矢が俯いたまま仕事に没頭しているのを見て、上田は声を落として報告した。

「鷹司社長。たった今、情報が入りました。坂本時佐がA国行きの最速便を取り、もう空港へ向かっています。かなり慌ただしい様子です」

鷹司蓮矢の手が止まった。顔を上げ、壁時計を一瞥する。次の瞬間、眼差しが刃のように鋭くなる。

――H国時間、午前1時半。

「この時間にA国だと?」

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