第201章

「蓮矢……?」

雨宮静佳は彼が立ち尽くしたまま動かないのを見ると、甘ったるい声でもう一度呼び、腕をさらに伸ばした。

鷹司蓮矢ははっと我に返る。眉間に深い皺を刻んだまま、すぐさま背を向けると、脇のソファから厚手のブランケットをひっ掴み、向きも確かめずに雨宮静佳の頭からばさりとかぶせた。頭も身体も、隙間なく包み込む。

「それ掛けてろ。風邪ひく」

ブランケットが顔面に貼りつき、雨宮静佳は息が詰まりかけた。

今夜の一切は、彼女が知恵を絞って仕掛けた結果だ。

最近の鷹司蓮矢は、彼女に対してあまりにも冷たい。

その冷たさが、雨宮静佳にこれまでにない危機感を抱かせた。何かしなければならない。...

ログインして続きを読む