第206章

鷹司蓮矢は眉間にわずかに皺を寄せた。

「何か用か」

「脚、もうほとんど治ったの。家にいてもやることないし、手伝いに来ただけ」

雨宮静佳はそう言いながら、鷹司蓮矢との距離をじりじり詰める。

小指でこめかみの髪をすくい、耳にかけた。

けれど鷹司蓮矢は、彼女を見ようともしない。

雨宮静佳はめげずに、今度は真正面まで寄ってにこりと笑う。

「蓮矢、聞いたんだけど……私、前はリゾートのチームにいたんだって?」

「暇で仕方ないから、リゾートのプロジェクトに入りたいの。……でも記憶がなくて、前に何を考えてたのか、どんな仕事をしてたのか、あんまり覚えてない。ちょうど蓮矢もこの案件に力を入れてる...

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