第52章

日向雫は卓上のアレンジメントに神経を集中させ、指先で花枝の向きをそっと整えていた。

背後から刺さる嘲りを耳にしても、まぶたひとつ上げない。

鷹司のお母さんのヒールの音が、すぐ横でぴたりと止まって――そこでようやく、雫はゆっくり視線を上げた。

「ご安心ください。例年、私が用意してきた贈り物は、どれもおじい様のお気に召すものでした。今年も同じです」

鷹司家ときっぱり縁を切ると決めてから、日向雫は鷹司のお母さんに対して、もう以前みたいに顔色を窺うことをやめていた。

この五年、真心を捧げて機嫌を取ったところで返ってきたのは、冷たい嘲笑と執拗な難癖ばかり。

どうせ好かれないなら、わざわざ自...

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