第72章

おじい様は、二人がきっぱり線を引くという現実を、どうにか受け入れた。

けれど、重たい沈黙がまだ部屋に澱んでいた、そのとき。

――バンッ!!

書斎の扉が乱暴に開け放たれた。

執事が血相を変えて駆け込んでくる。

「旦那様! 若様が……っ、熱がどんどん上がっております! 体温がまったく下がりません!」

「ふん、焼け死ねばいい!」

おじい様は怒りのあまり肘掛けを思いきり叩いた。白くなった髭がぶるりと震え、その目には、情けなさへの怒りがありありと浮かんでいる。

「今さら何を騒ぐ。雫の心をあれだけ踏みにじっておいて、自分が苦しむ番になっただけだ。自業自得だろうが!」

吐き捨てるような口...

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