第4章
一週間、ずっと雨が降り続いていた。
私はリビングのソファに身を丸め、スマホの画面に表示された直人からのおはようメッセージを眺めていた。気持ちは複雑に揺れ動いていた。安堵しているのか、それともがっかりしているのか、自分でもよく分からない。でも、一つだけ確かなことがある。もう丸一週間、隆二の姿を見ていない。
映画館で、背後から不意に冷たい声が聞こえることもない。
玄関の前で黒塗りのセダンが待ち構えていることもない。
直人とのデート中に、「偶然」を装って出くわすこともない。
そんなことを考えていると、電話が鳴った。画面には小百合の名前が光っている。私は通話ボタンを押した。
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