第122章 浮気現場を目撃する

翌朝早く、夏目千尋が会社に着いてから気づいた。昨日まとめた書類の一部を、御英レジデンスに置き忘れてきたのだ。

場所ははっきり覚えている。御英レジデンスのキャビネットの中。出る前に、うっかり持ち出し忘れた。

取りに戻るしかない。

車で御英レジデンスの前まで行き、エンジンを切ってスマホを取り出す。上村さんに電話をかけた。

……出ない。

もう一度かけても、やっぱり出ない。

千尋は車のドアにもたれ、固く閉ざされた門を見上げた。

引っ越してから鍵は持っていない。普段は上村さんが在宅のときに中へ入って荷物を取っていたのに、今日に限って不在だ。

待つしかない。

外で少し待っただけで、耳に...

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