第147章 危機解除

タクシーは夏目家の邸宅の門前で止まった。

夏目千尋はドアを押し開け、ゆっくりと地面に足を下ろす。

一歩進むたび、腿の付け根がじわりと痛んだ。

鉄門の外には、まだ赤いペンキの跡が残っている。けれど、あの取り立て屋たちの姿はどこにもない。

神崎雅臣は言ったとおり、もうこの件を片づけていた。

千尋は玄関の扉を開けた。

夏目博夫はまだ病院へ戻っていない。リビングを行ったり来たりしながら、落ち着かない様子で歩き回っている。

物音に気づくと、彼は勢いよく振り向き、早足で駆け寄ってきた。

「千尋! 外の連中……」夏目博夫は門の方を指さし、声を震わせた。「全員いなくなってる! 神崎雅臣がやっ...

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