第149章 彼女が昨夜の女だ

三上奈菜は帰らなかった。

峰島ホテルのロビー、ソファに脚を組んで座り、エレベーターの前を睨みつけるように見張っている。

11時から深夜1時まで。

扉は何度も開いた。出てくるのは、どうでもいい他人ばかり。

最上階から、女は降りてこない。

三上奈菜は苛立ち紛れに、真革の肘掛けを爪で引っかいた。すっと細い傷が残る。

――あの女、まだ上にいる。神崎雅臣が泊めたんだ。

そう思った瞬間、胸の奥がぎゅうっと詰まった。

彼女は勢いよく立ち上がり、ヒールを鳴らしてホテルの外へ出ると、親友に電話をかけた。

「飲む。いつものとこ」

それから30分後。市内中心部のバー。

三上奈菜はグラスを次々...

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