第154章 追いかけてきた

夏目千尋は胸の奥で、ふっと冷笑した。

五千万のネックレスを、三上奈菜には瞬き一つせず落としてやるくせに。

そのくせ、こっちには「おとなしくしろ」?

……何様のつもり。

壇上の競売人が三度、落札を確認する。

スタッフが粉紅のダイヤのネックレスを両手でそっと捧げるようにして運び、前列へ届けた。

三上奈菜は立ち上がり、箱を両手で受け取ると、神崎雅臣を振り返る。甘ったるい笑みは、今にも雫になって落ちそうだった。

「雅臣、ありがとう」

神崎雅臣は淡々と「……ああ」とだけ返し、まぶたすら上げない。

けれど周りの視線が、それを許さなかった。

「神崎社長、三上さんに優しいなあ。五千万を即...

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