第157章 命が惜しくないのか

翌日。

夏目千尋は、差し込んだ眩しい陽射しに目を覚ました。

ぼんやり寝返りを打ち、隣に腕を伸ばす。――空っぽ。シーツはもう冷えていて、神崎雅臣は先に出ていた。

だるさの残る身体を起こし、目をこする。

ベッドサイドのテーブルには、折り畳まれたホテルのメモ用紙。その横に、きちんと並べられた朝食。

千尋がメモを開くと、そこには一行だけ。

神崎雅臣の字は、本人と同じだ。鋭くて、押しが強い。

『朝飯を食え。岩崎圭一のところへ行くな』

千尋は一瞬固まった。……どういう思考回路なの。

メモを放り投げ、食欲も湧かないまま、牛乳だけを手に取って二口飲む。

温かい。

カップを握ったまま、千...

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