第219章 自分を差し出した

神崎雅臣は目を覚ました。

額に乗せていたタオルはすっかり冷たくなっていて、起き上がった拍子にずるりと滑り、掛け布団の上へ落ちた。

部屋の灯りは消えたまま。

点いているのは、枕元の壁灯だけ。くすんだ黄の光が、狭い範囲をぼんやり照らしている。

静かすぎて、壁の時計の秒針が刻む「カチ、カチ」という音まで耳につく。

神崎雅臣は眉間を指でつまみ、首筋にも触れた。

さっきまで骨の芯を掻きむしられるようだった痒みは、だいぶ引いている。息も、さっきよりずっと楽だ。

――もう、アレルギー症状は出ていないらしい。

布団をはねのけ、視線で部屋をなぞる。

誰もいない。

神崎雅臣は口の端を吊り上げ...

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