第23章 鳴海奏斗

「そういえば、千由美。どこに泊まってるの? ホテル?」

夏目千尋はふと思い出してグラスを置いた。

「ううん。市内の中心部に、ちっちゃいマンション借りたの」汐見千由美は首を振って、にこりと笑う。「大丈夫だよ、お姉ちゃん。ちゃんと手配してあるから」

夏目千尋はうなずき、それ以上は聞かなかった。

千由美はグラスのフルーツジュースをくるくるとかき混ぜると、ふいに身を寄せて千尋の手を掴んだ。

「お姉ちゃん、ちょっと聞いて」

「ん?」

「この前ね、クルーズ旅行の広告見つけたの! 2日1泊のやつ。J市発で、海岸線をぐるっと回って戻ってくるの。船に温泉もあるし、ビュッフェもあるし、映画も観られ...

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